中国独自の薬草観やインドの伝統療法についても勉強していきます。
【目次】
古代中国の『香り』
漢方の考え方
中国といえば漢方。高麗人参や霊芝などは特に有名です。
そんな漢方薬について書かれた本を中国では本草書といって、最古のものは漢の時代、2~3世紀の頃にまとめられています。
また、ローマ時代に書かれたディオスコリデスの『マテリア・メディカ』と並び有名な中国の薬草学書を『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』といいます。
『神農本草経』には365種類の薬物について「上品」「中品」「下品」の3つに分類されています。「上品」は命を養い、長期間摂っても害のない食品、「中品」は体力を養い、摂り方によっては害にもなる薬、「下品」は毒が強く長期間の摂取に向かない治療薬です。
これは5世紀頃陶弘景(とうこうけい456年~536年)が再編さんして、730種類の薬(薬草)について記された『神農本草経集注(しんのうほんぞうきょうしっちゅう)』として現在も伝えられています。
神農とは、中国の神話にある農業神ですが、漢の時代には中国太古の伝説上の皇帝・炎帝とされるようになっています。
中国医学
中国の医学は、調和やバランス・自然治癒力を重視するものであり、陰陽や、5つの要素『五行』の特徴から食事や生薬の処方が行われます。
『五行』とは木火土金水のことで、下の表のようにそれぞれ季節や身体の部位を意味します。これらのバランスをとることで健康を保つという考え方が中国の医学であり、インドの伝統療法・アーユルヴェーダや、ギリシャの医師ヒポクラテスの『四体液説』に共通します。
五行配当表 五行 木 火 土 金 水 季節 春 夏 土用 秋 冬 方角 東 南 中央 西 北 色彩 青 赤 黄 白 黒 時刻 朝 昼 午後 夕 夜 臓器 肝臓 心臓 脾臓 肺臓 腎臓 五官 目 舌 口 鼻 耳 十干 甲(きのえ)
乙(きのと)丙(ひのえ)
丁(ひのと)戊(つちのえ)
己(つちのと)庚(かのえ)
辛(かのと)壬(みずのえ)
癸(みずのと)十二支 寅(いん)
卯(ぼう)巳(し)
午(ご)丑(ちゅう)
辰(しん)
未(び)
戌(じゅつ)申(しん)
酉(ゆう)子(し)
亥(がい)月 1,2,3 4,5,6 7,8,9 10,11,12
出典元:陰陽五行説
古代インドの『香り』
暮らしに基づく養生法『アーユルヴェーダ』
よく耳にするアーユルヴェーダの発祥はインドやスリランカです。約3000年以上前から受け継がれている伝統療法ですが、アーユルヴェーダは医学だけでなく、宇宙観・自然観を含む哲学であり、具体的な生活方法も含んでいるのです。
ちなみに、アーユルヴェーダという名前は、「Ayus(生命)」「Veda(知識)」からの造語です。
人間の身体の中には、風火土に象徴される『3つのドーシャ(体質または生命エネルギー)』、「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」がはたらいていると考えられていて、アーユルヴェーダではこの3つのドーシャのバランスを保つことで健康が維持できるとされます。
また、身体の中でエネルギーが集まる部分を『チャクラ』といい、チャクラが安定すれば心身が整うのです。
7つのチャクラについては下の表で確認できます。
位置 カラー 特徴 第一チャクラ 尾てい骨 赤(ルビー) 生命力・現実を生きる 第二チャクラ おへその下 温かいオレンジ 自立心・創造性 第三チャクラ 胃 温かい黄色 自信・活力 第四チャクラ 心臓 エメラルドグリーン 愛・感情・情緒 第五チャクラ 喉 サファイアブルー コミュニケーション・表現力 第六チャクラ 眉間 藍色 叡智・直観力・スピリチュアリティー 第七チャクラ 頭頂部 紫 高次とのつながり・人生の目的
現代のアロマテラピーでもアーユルヴェーダの考えが取り入れられていて、エネルギーのバランスを整えるため各チャクラに対応している精油を使って芳香浴やトリートメントをおこないます。
古代の香り➂【アジア】を学んで
中国にもインドにもそれぞれに古くから伝わる伝統療法・自然療法がありました。しかし、全ての療法は古代ギリシャの医学の父ヒポクラテスの思想に共通するものが多いと思います。
そして、現代のアロマテラピーと本質は同じなんだなと改めて認識しました。
人間の健康は体内のエネルギーや栄養のバランスが全て。心身ともに安定した健康な自分自身を目指してさらに勉強したいと思います。